茶園管理
茶園管理には年間を通して多くの作業があります、その中でいくつかの基幹作業を紹介します。
① 施肥
栽培管理の中で最も重要な健全な土づくりになります。
狭山茶産地の多くの土壌は高倉統で表層に腐食が多く、保肥力が高くなっています。
茶園の品質向上と環境保全のバランスを考えて施肥設計を行っています。
その中で、秋肥は土づくりを考えて有機質肥料を使用し、春肥は緩効性肥料を使うことで余分な肥料の流出を防ぎ環境にやさしい管理を行っています。
② 防除
IPM(総合防除)を実践することで、薬剤偏重による環境への悪影響を低減させ、より効果的な防除を心がけています。
③ 防霜
畑にそびえ立つプロペラ(防霜ファン)で地表から5~10メートルの逆転層の地表より温かい空気を送ることで霜を防ぎます。
④ 整枝
新芽の摘み取りに、古葉や小枝が混ざらないように、摘採の前に茶園の茶株面を綺麗に揃えるために刈り慣らします。
より良い新芽を得るために重要な作業となります。
⑤ 摘採
新芽の刈り取りです。
コンテナ式摘採機の導入により茶葉を痛めることなく素早く摘み取れることが出来るようになりました。
⑥ 中段刈り
3~4年に一度の割合で茶園の更新を兼ねて茶園の樹高を50センチ程度の高さに下げます。
この作業をすることによりお茶の木が若返り元気な強い芽が生えます。
荒茶工場
煎茶を造る工程には大きく分けて「荒茶製造」と「仕上茶製造」があります。弊社は生葉から荒茶を造る『荒茶工場』です。
生葉の状態から5~6時間ほど掛けて五分の一ほどの重量の荒茶が製造されます。
狭山茶産地で1番の大型工場で、コンピューターの集中制御による安定した製造と均一化した製品、熟練の茶師の知識と技術で高品質の荒茶製造を心がけてます。
① 受け入れ
大型台秤(トラックスケール)による計量で生葉入庫
刈り取った生葉を袋やコンテナに入れてトラックで搬入されてきます。1台に数100キロの生葉が1日当たりにして15000~17000キロも持ち込まれます。
時間の短縮や労力の軽減にも、このトラックごと測れる台秤が活躍しております。
② 生葉コンテナ
- 多くの生葉が持ち込まれるため、生葉は製造を待つため、コンテナでストックされます。
- 茶園から摘み取った葉は熱を持っています。そこで、生葉の品質劣化の防止や鮮度の維持のため風をあて保存しています。
③ 蒸し機
ボイラーから出る蒸気を利用してお茶の葉を蒸します。この工程により、茶の葉の酸化酵素の働きを止め、青臭みを取るとともに葉を緑色に保ちます。この蒸し工程の蒸し時間の長さにより製品の形状や水色に影響します。
当工場では90~130秒蒸しの【深蒸し】を基本としています。
④ 冷却機
蒸した直後の葉は多くの水分と熱を持っています。回転しながら熱風を送ることによりこの水分を除去します。
この冷却をしないと葉の色の劣化や味や香りも悪くなってしまいます。
⑤ 葉打機
- 乾燥した熱風を送りながら打圧を加え、茶葉表面の蒸し露を取り除いていきます。
- 茶葉の色沢・香味の向上と、次の粗揉工程の前処理の役目もあります。
⑥ 粗揉機
- 熱風を当てながら葉を揉み、水分を取り除いていきます。
- 機械のより手で葉を揉み水分を出し、さらい手で茶を拾い上げて熱風を当て乾燥を進めていきます。
⑦ 揉捻機
加熱せず葉を一塊にして圧力を加えて揉み込みます。
粗揉工程での揉み不足を補うと共に、葉の水分の均一化を図ります。
⑧ 中揉み機
より手で揉みながら、熱風を当て乾燥していきます。
揉捻から出た塊の茶葉をほぐし次の工程へ効率よく繋げる働きもしています。
⑨ 中揉機
熱風を当て、圧力を加えながらさらに揉み込んでいきます。
茶葉を解きほぐし、よれを作っていきます。
⑩ 精揉機
熱した板の上で、徐々に圧力を加えながら揉み込んでいきます。
揉む作業の最後の工程になり、葉をよって形を作っていきます。
⑪ 乾燥機
保存に適した状態になるように、熱風で水分率5%前後になるように乾燥させます。
しっかりと乾燥させることにより、お茶の香味も高揚します。
⑫ ふるい選別機
乾燥を終えれば荒茶の完成ですが、当工場では、それを篩(ふるい)にかけています。製造中にでる機械についた渋の塊や大柄の茶、ケバ(茎の皮)などを取り除いています。
⑬ 合組機
出来上がった荒茶を大きなタンクに入れ、前半と後半の荒茶が混ぜ合わさるようにする機械です。
出荷
最後に、計量・梱包を経て、【荒茶】として出荷されます。